この度、gallery UG Tennozでは7月3日(水)から7月20日(土)まで、岡田菜美「The eternal moment」を開催します。
弊廊で5度目の個展となる本展では、タイトルにもあるように「永遠の瞬間」をテーマに発表。
「永遠の瞬間」という表現は一見矛盾しているように思えますが、瞬間の儚さと瞬間が持つ深い意味や影響力を同時に表現しています。
岡田菜美は、アクリル絵具を何層にも重ね、削り出す行為を繰り返す手法により、抽象と具象が入り混じったような作品を制作。作品には岡田⾃⾝が訪れた場所や見たことのある風景が幾重にもコラージュされ、新しい情景を描き出しています。
幾重にも重ねられた色から生まれるグラデーションは空間に境界を生み出し、光彩を放ちます。印象派の画家たちが色彩と光を追い求めたように、岡田もまた、自身が創り出す景色の中にそれらを追い求めているかのようです。またその光彩は宇宙的、存在論的ビジョンが重ねられており、それこそが永遠の瞬間を求めている現れかもしれません。
2023年は主な展示としてMother New York (ニューヨーク)、NANJO SELECTION vol.2「いつか見た青い影 / A Whiter Shade of Pale」– N&A Art SITE (東京)、アーツ前橋 開館10周年記念展「ニューホライズン 歴史から未来へ」– アーツ前橋 (群馬)、個展「flow of time」– 銀座蔦屋書店 (東京) など。
また2024年は、WHAT CAFÉ Exhibition Vol.37 (東京)、Meet Your Art Festival (東京)、高崎市美術館 (群馬) 他での展示を予定しています。
ぜひご高覧ください。
gallery UG
「私は、絵を通して時間の概念や記憶を表現しています。そして風景を時間と空間の関係性の象徴として、永遠の瞬間を捉えるようなイメージで描いています。
絵の中の海と空の境界線、山や木々の風景などの一見静かな光景の中に、時間の流れや変化の痕跡を遺せるように意識しています。それらは瞬間の終わりと始まりが同時に存在することを示し、永遠と一瞬の共存の表現を模索する過程で生まれた痕跡です。
長らく制作してきているシリーズで、「ONE VIEW」というものがあります。記憶を薄いフィルムのように幾重にも重ねるという思考法でひとつの作品を作っています。何処とも判別がつかないような風景が出来上がります。これには鑑賞者の記憶を引き出し、目前の絵画とその記憶を重ね合わせることで、複数のイメージを生み出すことを意図し、万人に共通の深層的な記憶が織りなした、非常に抽象的な具象風景の表出を目指しているのです。
また、それらを蓄積させ、さらに画面上に時間の流れを取り入れた「VOID」というシリーズがあります。「ONE VIEW」では名状し難い一定の空間を描いているのに対し、「VOID」はそれら複数が関係しあってできる"時間の輪"とも言えるような現象をモチーフとしています。
今回の展覧会「The eternal moment」では、「VOID」シリーズよりさらに時間に焦点を当てた作品を発表します。
記憶と時間の輪は、どのような色かたちでどのような動きをしているのか、制作を重ねていくほどに私自身の関心も大きくなり、今回の展開を迎えました。」
岡田菜美