One Brief Memory

2026/10/09 -2026/10/31

gallery UG Tennoz

information

gallery UG Tennozでは、2026年10月9日 (金) より10月31日 (土) まで
専属アーティスト・ 川平遼佑の個展「One Brief Memory」を開催いたします。


※10月9日(金)~ 12日(月)は、MEET YOUR ART FESTIVAL(MYAF)の開催に伴い、開廊時間を変更いたします。



幼い頃の記憶には、理由もなく怖かったものがある。

夜の暗闇。夢の中に現れるオバケや怪物。
目を覚ましても、その気配が部屋の隅にまだ残っているような気がして、ひとりでトイレに行くことさえできなかった。

川平遼佑の制作の原点には、そんな幼い頃の「おねしょ」の記憶がある。
けれど、川平が描いているのは、「おねしょ」そのものではない。

そこからこぼれ落ちてくるのは、怖いものを前にしたときの不安や、どうすることもできない無力さ。
そして、少し大人になった今もなお、思い通りにならない現実の中で、何かを信じながら生きていくことについての感覚だ。

人は、怖いものに出会ったとき、何かにすがったり、何かを信じたりする。
それは神様かもしれないし、誰かの言葉かもしれない。 あるいは、自分だけの小さなヒーローかもしれない。

幼い頃の川平にとって、その存在のひとつが「パンツ」だった。

おねしょをしてしまった朝。
濡れたパンツを洗いながら、「ごめんなさい」と謝る。

もし、このパンツに意志があったとしたら。 怒っているだろうか。
それとも、自分の代わりに怖いものと戦ってくれるだろうか。

そんな幼い想像から、「パンツくん」は生まれた。
ブリーフという、あまりにも身近で、少し可笑しな存在に意志を与えることで、川平は、誰もが抱えている弱さや不安を、ユーモラスな姿へと変えていく。

パンツくんは、いわゆる無敵のヒーローではない。

モンスターを前にしても表情を変えず、斧やバット、バールなどを手に、淡々と立ち向かう。 ときには相手を容赦なく倒そうとする。

その姿は可笑しくもあり、どこか物騒でもある。
けれど、そんなパンツくん自身が敵に捕らえられ、傷つけられ、拷問を受けることもある。

守ってくれるはずの存在が、いつも自分を守ってくれるとは限らない。
怖いものがなくなるわけでもない。 何かを信じれば、すべてがうまくいくわけでもない。

それでも、目の前にあるものに向き合う。

川平が描くパンツくんは、そんな少し不器用な存在なのかもしれない。

幼い頃の「おねしょ」という個人的な記憶から始まったパンツくんは、やがて、恐怖や不安を抱えながら生きる私たちの姿とも重なっていく。

一見すると、可笑しくて、少しふざけているようにも見える。

けれど、その可笑しさの奥には、誰にも言えなかった怖さや、何かに守ってほしいという願い、そして、思い通りにならない現実の中でも、何かを信じてみようとする気持ちがある。
だから、パンツくんは少し可笑しく、少し頼もしい。
そして、ときどき、ほんの少しだけ切実だ。

幼い日の記憶から生まれた小さなヒーローは、今も怪物の前に立っている。
その先に何があるのかは、まだ分からないまま。

ーgallery UG

Exhibition Information

展覧会名
One Brief Memory
会期
2026/10/09 -2026/10/31
開廊時間
11:30 - 18:30
休廊日
日曜、月曜
会場
gallery UG Tennoz
アーティスト
川平遼佑

Artworks

One Brief Memory
F50 (116.7×91cm)
アクリル絵具 (キャンバス)
2026

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