2022.03.29
野原邦彦
「雲間」
Size|390×711×475cm
Year|2022
Media|バルーン
雲間にきらりと輝く一つの星。その星を手掛かりに泳いだ曇り夜。きっと晴れわたる満点の星空はいつか見上げた宙よ り豊かだと思う。
浮かぶ雲に施した文様は雲間に見える星をイメージし、今の時代に願いや祈りを込めたもの。唐草文様やアラベスク、アイヌ文様がヒントになっている。
最近こどもと星について勉強している。
夕方から夜になる頃、薄曇りの空に一つ星が見え た。
あれは明るいからシリウスだね!
そうかもねーなんて適当に答えながら空を見た。 続けて指をさしてあれは赤いからベテルギウスだよ! 赤いかなぁ、、たしかに赤いかも。確かめるように左側を探すと結べた大三角。本当にそうじゃん。リゲルもあった。一等星を追っている自分を他所にベルトだ!確かに薄らと3つ並んでいる。全く見えな かった星がどんどん見えてくる。
最近亡くなった祖父の家のある町は星のきれいなところでその星空は自分の原風景の一つ。もうそこで夜空を見ることはないかもしれないけ ど、いつかどこかで満点の星空を見上げるときはその記憶とともにいろんな星座を結びたい。
今回巨大バルーン作品として展示ブース上に浮かせたこの作品はそんな最近のことをきっかけに、世の中のこと、これからのことを思い制作しました。
野原邦彦
UG専属
Kunihiko NOHARA