One Brief Memory

2026/10/09 -2026/10/31

gallery UG Tennoz

information

gallery UG Tennozでは、2026年10月9日 (金) より10月31日 (土) まで
専属アーティスト・ 川平遼佑の個展「One Brief Memory」を開催いたします。



1991年 愛知県出身
2014年 名古屋芸術大学卒業

2020年よりgallery UG専属アーティストとして活動。

幼少期に抱いた「理由もなく怖かったもの」への記憶がひとつの起点だ。
夜の暗闇、夢の中に現れるオバケや怪物、目を覚ましたあともその気配が部屋の隅に残っているように感じられ、ひとりでトイレに行くことさえできなかった。
そうした幼少期のおねしょの記憶を出発点に、川平は恐怖や不安、無力さといった幼い身体に刻まれた感覚を独自の視点で捉え直し、作品へと昇華している。

川平が見つめているのは、おねしょという出来事そのものではない。
おねしょをしてしまった朝、濡れたパンツに「ごめんなさい」と謝った記憶。そこには、失敗してしまったことへの罪悪感とともに、身近なものを慈しむような無垢な感情があった。

「もし、パンツに意志があったなら。」

そんな幼い頃の想像から生まれたのが、「パンツくん」である。
自分の代わりに怖いものと向き合い、守ってくれる存在として生まれたパンツくんは、
やがて川平の作品世界を象徴するキャラクターへと進化していく。

当初は、幼心の象徴として実物のブリーフを支持体に制作していたが、2021年頃からはそのテーマをキャラクターとして再構築した。太く明快な輪郭線とシンプルでビビッドな色彩によって描かれるパンツくんは、一見するとコミカルで親しみやすい姿をしているが、その背後には、幼少期の孤独や罪悪感、そして「何かに守られたい」という切実な願いが潜んでいる。

そして、パンツくんは決して無敵のヒーローではない。
モンスターを前に、斧やバット、バールなどを手に立ち向かうが、自らが捕らえられ、傷つけられ、拷問を受けることもある。

守る側でありながら、同時に傷つく側でもある。

その姿は、単純な強さや正しさだけでは捉えきれない、人間の矛盾や脆さを映し出しているようだ。
可笑しさと不穏さ、幼さと暴力性、戦うことと傷つくこと、相反する要素がひとつの画面に共存し、ポップでユーモラスな表現の中に、誰もが心の奥に抱えている不安や孤独、思い通りにならない現実との距離が浮かび上がるのである。

近年は父親としての視点も加わり、自身が幼い頃に感じていた恐怖と子どもの成長を見つめる現在の視点が重なり合うことで、作品には新たな広がりが生まれている。

かつて自分を脅かしていたオバケや怪物は、大人になるにつれて姿を消したように思える。しかし、それらが象徴していた不安や揺らぎまでが消えてしまうわけではない。
川平にとって制作とは、そうした記憶の奥に残る感覚を掘り起こし、別の形へと変換する行為でもある。幼少期の個人的な体験をそのまま懐古するのではなく、そこにあった弱さや戸惑いを、ユーモアや風刺を交えながら、現代の視点から捉え直している。

パンツくんは、恐怖を克服したヒーローではない。
恐怖や弱さを抱えたまま、それでも怪物の前に立つ存在である。

どこか滑稽で、少し不穏で、それでいて不思議な親しみを持つその姿は、幼い頃の記憶から生まれながら、やがて誰もが抱える感情を映し出すものとなっている。
守られたいという願い、傷つきながらも立ち向かおうとする意志。

川平は「パンツ」というユーモラスなモチーフを通して、人間の弱さと可笑しさ、その両方を鮮やかに描き出している。

ーgallery UG


※10月9日(金)~ 12日(月)は、MEET YOUR ART FESTIVAL(MYAF)の開催に伴い、開廊時間を変更いたします。

Exhibition Information

展覧会名
One Brief Memory
会期
2026/10/09 -2026/10/31
開廊時間
11:30 - 18:30
休廊日
日曜、月曜
会場
gallery UG Tennoz
アーティスト
川平遼佑

Artworks

One Brief Memory
F50 (116.7×91cm)
アクリル絵具 (キャンバス)
2026

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