ひととき

2022/09/02 -2022/09/24

gallery UG Tennoz

information

gallery UG Tennozでは9月2日(金)から9月24日(土)まで、野原邦彦の個展を開催します。

この度新作となる《桜の精》は、能の演目である「西行桜」をモチーフとしているという。
 この演目のクライマックスは、西行の夢に現れた桜の精が、知遇を得たその喜びを舞うが、名残惜しくも夜は明け夢は覚め、消えて行ってしまうという場面だ。
 桜のように散ってしまう心地よい時間の儚さはこれまでの作品と通底するものであり、「ゆとりのある時間」を作品に追い求める作家の姿は、「穏やかな時を過ごしたい」と山奥に居を構えた西行のイメージとも重なるものがある。

 近年の作品では、こうした古典作品や、「波に千鳥」などの定型化された紋様などを自作に取り入れている。これらは雲と同様に普遍的イメージをもつもので、さらなる発展を感じさせる。
 個人的な感覚から出発し、共有性の高いモチーフを素材に、鑑賞者各自の感覚や記憶、観念へとリンクしていく野原邦彦の作品。そんな広がりを持ちながらも密接に漂う空気を、今後も期待したい。(個展のための寄稿文より抜粋)


札幌芸術の森美術館 佐藤 康平

Exhibition Information

展覧会名
ひととき
会期
2022/09/02 -2022/09/24
開廊時間
11:30 – 18:30 金曜11:30 - 20:00
休廊日
月曜日
会場
gallery UG Tennoz
アーティスト
野原邦彦

Photo

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