藤岡月華

藤岡月華  Gekka FUJIOKA

いつの間にか月華書展は十一回目を迎えることとなった。今回は自分が生活している周りの自然を師としながら、
ここ数年の間に心に触れた言葉などを主に作品を書き上げた。
 私は書道中心の生活に入って七十年近くになる。この間、書象会で二十年ほど海外展の担当をさせて頂いたことは、
貴重な経験となった。
上條信山先生ご一家とご一緒に、世界の様々な国に行く機会にも恵まれて、楽しい思い出ばかりである。
今回の作品のうち、中でも特に印象深い数点を挙げる。
 『鳥獣戯画』…日本最古の漫画といわれ、今や世界を虜にするポップカルチャーの原点とも称される。
 甲骨文で表現してみたらどのようになるのかと以前から温めていた題材である。
 『月下独酌』…主人の友人から李白の五言絶句の詩を添えて、月下独酌という日本酒をお送り頂いたことに感激し、この文字をぜひ書
きたくなった。
 『ダビデ像』…フィレンツェに旅行した際に観たダビデ像。美しいフォルムが目に焼き付いている。
 『藍』…珍しい藍の墨をみつけ、書いてみた。何と美しい墨色だろう。
同じ頃に、小平市書道連盟の研修旅行で藍染体験をする機会があった。やはりここでも、奥深い藍の色に魅了された。
『宵待草』…初秋夕方になると真っ白に四辨の花を咲かせ、十時過ぎにはピンク色そして徐々に濃いピンク色へと変わり、朝方には
しぼむ、何とも不思議で夢のある花である。
 甲骨文は実にアートである。およそ四千年前のものといわれているが、現代においてもその魅力を放つ、まだまだ未知の世界である。
書道といっても、中国文学、日本の国文学、美術の三方向から勉強していかねばならず、範囲が広くなかなか困難な道なようだ。
 今後も私自身の健康の続く限り、主に甲骨文を主軸として、掘り下げて行きたいと思っている。


平成二十八年 神無月 吉日
藤岡 月華

第11回個展作品集より

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【略歴】
1934年東京に生まれる
上條信山に師事
尾上柴舟に師事
日展入選
海外展出品

(フランス・ドイツ・イタリア・スイス・オーストラリア・スペイン・オランダ・旧ソビエト・デンマーク・ベルギー・
チュニジア・チェコ・フィンランド・アメリカ・カナダ・ペルー・トルコ・イギリス・ボツワナ・ドバイ・チリ・
中国・モロッコ・アルゼンチン・イラン・レバノン・アルジェリア・バーレーン・アラブ首長国連邦等)
ヴェニス近代美術館収蔵
大英図書館収蔵
バルセロナ大学収蔵
中国鄂州博物館収蔵
トルコ日本文化センター収蔵
メキシコ州立近代美術館に壁画として収蔵

現在
書象会董事
謙慎書道会理事
小平市書道連盟顧問
仁書道会主宰

2002年 個展 ギャラリーユニグラバス銀座館, 銀座
2004年 個展 ギャラリーユニグラバス銀座館, 銀座
2006年 個展 ギャラリーユニグラバス銀座館, 銀座
2008年  個展 第9回ユニグラバス色紙展  ギャラリーユニグラバス銀座館, 銀座
2010年 個展 ギャラリーユニグラバス銀座館, 銀座
2012年 個展 ギャラリーナミキ, 銀座
2014年 個展 新井画廊, 銀座
2016年 個展 新井画廊, 銀座